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後遺症診断書の重要性と取得方法
交通事故や労災事故などで負った怪我が治癒した後も、身体に痛みやしびれ、機能障害などの症状が残ることがあります。これが「後遺症」と呼ばれるもので、その症状が将来にわたって改善の見込みがないと判断された場合に、適切な補償を受けるために必要となるのが「後遺症診断書」です。後遺症診断書は、正式には「後遺障害診断書」と称され、医師が作成する医学的な証明書であり、後遺症の存在とその内容、程度を客観的に示す極めて重要な書類となります。この診断書は、主に自賠責保険や任意保険の後遺障害等級認定を受けるために提出されます。後遺障害等級が認定されることで、事故の加害者側に対して、逸失利益や慰謝料などの損害賠償を請求する際の根拠となります。そのため、後遺症診断書の内容は、受けられる補償額に直結すると言っても過言ではありません。後遺症診断書を取得するまでの流れは、まず治療を継続し、症状固定に至ることが前提となります。症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めないと医師が判断した状態を指します。この時点をもって、怪我の治療は終了し、残った症状が後遺症として評価されることになります。症状固定の診断が出たら、主治医に後遺障害診断書の作成を依頼します。医師は、これまでの治療経過、各種検査結果(レントゲン、MRI、CT、神経学的検査など)、患者の自覚症状、そして客観的な他覚所見に基づいて診断書を作成します。診断書には、傷病名、症状固定日、残存している症状の内容(痛み、しびれ、機能障害など)、その症状が日常生活や仕事に与える影響、将来における症状の改善見込みなどが具体的に記載されます。後遺症診断書を作成してもらう際には、いくつか注意すべき点があります。まず、診断書は必ず、治療の経過を最もよく把握している主治医に依頼することです。複数の医療機関を受診していた場合でも、症状固定と判断した医師が作成するのが一般的です。次に、診断書に記載される内容について、患者自身も医師に正確に症状を伝えることが重要です。漠然とした表現ではなく、いつ、どこで、どのように痛みやしびれが生じるのか、何ができて何ができないのかなど、具体的に詳細を説明することで、医師が診断書に正確な情報を盛り込むことができます。また診断書が作成されたら、患者自身もその内容を確認することが大切です。